Rock'n' Roll Schoolgirl Reviews

制服ギター女子 まとめ




AKB48やSCANDALが躍進したあたりから増えてきた制服姿のギター女子。
学校制服とロック、相反する要素が女子にかかればなぜか両立してしまう。
これが男子だったらそうはなりません。
全ての女の子はエレキギターを持つとドヤ顔になる。
そもそも女子高生という存在が傍若無人なロックスターのようなものだ。
平成の街を歩けば、そんな少女がギターケースを肩にかけて風を切ってゆく。
誰かが言った。
スカートの丈を短くしてるのは、短い夏を走りきるためだと。

Page1  Page2


映画「スウィングガールズ」 (2004年)


ベース=水田芙美子,ギター=関根香菜。
スウィングジャズのビッグバンドに加入したロック女子二人組。
ハードロック系のいかついギターで4ビートのカッティングを刻む姿がミスマッチで可笑しい。
南京錠のネックレスは当時、NANAの影響で流行ったアイテムだ。
撮影は2003年、まだルーズソックスとハイソックスが混在する東北の田舎の高校が舞台。
ひょんなことからジャズバンドにのめり込んだ女子高生たちの奔走をコミカルに描く。
演奏は吹き替えなし。映画は大ヒットし、劇中から飛び出してライブ活動も行い大きな話題に。
翌年の「リンダリンダリンダ」と並べて語られる青春ガールズムービーの金字塔。
能年玲奈も大好きな映画だそうです。
本作によって上野樹里,貫地谷しほり,本仮屋ユイカらがブレイクする。
この後、「フラガール」「書道ガールズ」「フレフレ少女」「うた魂♪」「武士道シックスティーン」など、
地方の高校で部活に打ち込む女子高生を描いた映画がいくつも作られてゆく。



映画「リンダ リンダ リンダ(2005年)




Vo.ペ・ドゥナ,Gt.香椎由宇,Ba.関根史織(Base Ball Bear),Dr.前田亜季

とある地方の高校で、文化祭を控えた軽音部のガールズバンド。
しかし怪我や仲違いが重なり、本番3日前にギタリストとボーカルが離脱。
オリジナル曲は断念し、キーボードの香椎由宇は慣れないギターに持ち替えて、
急遽、ボーカルを探してブルーハーツのコピーをやることに。
それを甲本ヒロトの実弟・甲本雅裕が顧問の先生役でそっと見守るという心憎い配役。
彼女らは特に大きなことを成し遂げるわけではない。何かに意地になって、
高校生活最後の文化祭ライブという一点に向かって物語は進んでいく。
まだ実りには届かない恋、こじれたままの友人、言葉足らずの思い、思春期の気だるさ、
そんな季節に生きる若者によって、ブルーハーツは音源の山から宝のように「発見」される。
多分どこにでもいる、ありふれた軽音楽部の日常がここにある。
彼女らは問題に立ち向かって青春ドラマのように泣いたり叫んだりはしない。
それぞれの心情は胸の内にしまって、淡々と練習を重ね、学校で夜を明かし、
ライブという非日常へ向かっていく時間を共有するうちに、4人は「バンド」になっていき、
文化祭前夜の高揚感が、画面から静かにあふれてくる。
青春とは名ばかりの無為な生に、彼女たちはかろうじて抗う。
そしてヒロトらが封印したナンバーが時を超え、2005年の軽音バンドに輝く瞬間をもたらす。

特に熱いわけでもなく、冷めているわけでもない地方の高校生たちが息づく、
文化祭の季節のざわついた学校の空気感がドキュメンタリーのように淡々と描かれる。
ただそれだけの数日間の物語だが、多くの人がこの映画に何かを見出す。
自分もこの学校の生徒になって居合わせているような気分になる映画でした。
この映画から来年で10年。あれから女の子を取り巻く音楽事情は多少変化している。
2010年代の「リンダリンダリンダ」に相当する映画を観たいと思う。

 
この映画にはESPが協力しており、
香椎由宇がItalia Guitars Mondial Classic、 関根史織がEdwards E-UT-85B
というESP系列ブランドの個性的なモデルを使用したことも注目された。
翌年のアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」劇中のライブシーンは「リンダリンダリンダ」を参考にしており、
話題の2作品に登場したことで Mondial Classic は一躍有名機種になる。
そのレトロチックなデザイン性、空洞ボディにピエゾPU搭載でエレアコにもなる多機能ギター。
香椎由宇という古典的美貌を持つ女優によって魅力が際立ったギターではないだろうか。


AKB48の大島優子も、2006年のAKB48公演でバンド演奏して、
同じウルトラトーン・シリーズのベースを弾いていた。
丸っこいシェイプのコンパクトなボディにミディアムスケール・ネックで、
女の子に合いそうなベースだが、現在は生産終了している。
余談だが大島優子も高校時代には軽音部でガールズバンドをやっていたという。



ドラマ「マイ☆ボス マイ☆ヒーロー」 (2006年)


高校の文化祭の回から。
3年A組の総勢28人によるゴスペル・ナンバーの生演奏。ギターだけでも7人いる。
ツインテールの新垣結衣がギターを弾いております。
隣の佐藤千亜妃は現・きのこ帝国のギタボ。人に歴史ありです。
仲里依紗もクラスの一員でキーボードを弾いている。
教師役の香椎由宇もギターを弾いており、高校時代の経験から、
生徒たちに文化祭の意義を説いてバンドの指導をするという、
「リンダリンダリンダ」のその後を思わせる役柄である。

ちょっと気になるガッキーの黄色いギター、調べてみると、
Burozeという、主に80年代に流通していた格安ギターブランドのストラト・タイプでした。
今はネットオークションなどでジャンク品扱いで散見される。
佐藤が弾いているのは、おなじみの格安ブランド PhotoGenicのレスポールJrタイプ。
香椎が弾いているのは、ヤマハの超軽量ギター RGXA2。



アニメ「けいおん!」 (2009年)

社会現象的に大ヒットした日常系アニメ。
様々な経済効果を生み出し、軽音楽部へ入部する女子も急増した。
ブームで売れた左利き用ベースが、忘れ形見のようにリサイクルショップでよく見かけます。
恋も男子も悪人も出てこない、奇妙なまでにまったりした楽園的日常が続く世界。
一方で登場人物の心情は細やかに描かれ、ちょっと少女マンガ的なところがある。
軽音部にもピンからキリまであるけど、たむろが目的みたいな緩い同好会的なノリで、
そんなガールズ・ソーシャルな世界観が、十代の視聴者の女の子たちも自己投影できて、
軽音部やガールズバンドといったコミュニティに、新たなリア充の形を見出したのかもしれない。
監督、脚本、キャラクターデザインのメインスタッフは女性で固められており、
やはりこれは、男性視聴者の頭上を超えて女の子にも届くイデアが作品に宿っている。
ゆるい部活とは裏腹に、これぞ今のアニソンというハイパーでキュートな楽曲群が物語を彩る。
日常系とはいいながらも、彼女たちは何者かになれるハレの場がある。
バンドは、日常という無為に抗う手段に他ならない。
最終回で、部室での最後の演奏と共に映し出される校内の風景に、
この日常が終わることの寂しさを感じましたね。
ある意味、悪い思い出が消え美化された学校生活の記憶がリプレイする世界が、
「けいおん」だったのかもしれない。



アニメ「まんたま」 (2012年)

検索で引っかかったのだが、これって上の・・・。



AKB48 「GIVE ME FIVE!」 (2012年)

AKB48は2006年の公演でもバンド演奏をやっているが、
2012年、ガールズバンドブームの流れを受け(?)、満を持してバンド編成のシングルを出した。
管楽器も入り、スクールバンドのパレードみたいな祝祭感があって楽しませてくれた。
前田敦子の堂々たるフロントマンぶりに、いわゆるセンターの才能を感じました。
たかみなのドヤ顔の極み、最高ですね。
選抜以外の多くの支店メンバーも楽器をマスターして公演でこの曲を生演奏した。
一時期、全国の楽器屋に彼女らの使用楽器を並べたAKBコーナーができた。
筆者もこの曲でAKBグループが眼中に入ってきたのでした。


SKE48 ライブ (2010年)

SKE48も2010年の公演でバンド演奏をやっていた。
長身の松井玲奈はベースが似合っているが、重すぎるのか即効で断念してトランペットを担当。
SKE48 Club Bandという架空バンドもある。


SKE48 グラビア (2011年)
 
SKE48の矢神久美と松井玲奈。2011年のグラビアから。
矢神久美は公演での「GIVE ME FIVE!」でギターを弾いていた
松井玲奈の醸し出す低血圧な女子の佇まい、独特な魅力があります。


NMB48 写真集 (2012年)


NMB48 1st写真集「きゅんとどきっ」から。
架空の女子校を舞台としたリアル日常系写真集。
ギター=渡辺美優紀,ベース=山本彩。
やはりさや姉は楽器を持つと顔付きが変わる。


NMB48 渡辺美優紀 ライブ (2012年)

NMB48の公演で「GIVE ME FIVE!」を演奏する渡辺美優紀。
ヤマハのパシフィカを楽しそうに弾いています。
天性の小悪魔の笑みです。


NMB48 山本彩 テレビ番組 (2012年)

学園コメディー番組「げいにん!」から、さや姉のギター漫談。
大阪・私立なんば女学院のお笑い部で繰り広げられる番組。
AKBグループにおいてさや姉だけはガチである。
女性ロッカーが何かの間違いでアイドルやってるんじゃなかろか、という逸材だと思う。


HKT48 ライブ (2012年)


ベース=松岡菜摘,水色ギター=兒玉遥,赤ギター=宮脇咲良。
バタやんみたいに高い位置で構えています。
年若いグループだけあって、キッズバンドみたいです。
HKT48も公演で「GIVE ME FIVE!」を演奏した。
ギター,ベース,キーボード,ドラムと、楽器は全てヤマハが提供している。
ギターのラベルを貼ったままなのは、使い終わったら返却するんでしょうか。


江口寿史×真野恵里菜 (2012年)

可愛い女の子を描かせたら日本一の江口寿史による、真野“ギタ女”恵里菜。
昔からたびたび作品中にギター女子を描いている御大の絵はやはり別格。
江口のクールな描線が描き出す美少女は可愛いのに媚びたところがない。
服のシワを描くのが好き、という江口だけあって、ギターにも時の刻みが描き込まれている。
年若い娘と年季の入ったオールドギターという、一見ミスマッチな構図は、
美少女の刹那性と永遠性を暗喩するメタファーなのか。

脱線するが、江口先生がご自身の愛娘を描いたrockin' star★Tシャツ用のイラスト。
父親の作風そのままに存在する娘。こんな素晴らしいコラボがあるだろうか。
先生、娘さんを僕にください!と言いたくなる。
Fenderムスメタングを弾く娘サイコー。



浅野いにお rockin' star★Tシャツ (2015年)

ブスカワ系の微妙な可愛さを描く画力で定評のある(?)、浅野いにおによる、
『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』主人公の女子高生コンビ。
イケてる女子高生でもなんでもないポンコツJKの醸し出すオフビートな脱力感。
因縁(?)の江口寿史とは対極の、新旧サブカル絵師によるギター女子対決ですね。
どっちのTシャツが多く売れたのか気になるところです。
ちなみに作品内でギターを弾くシーンは今のところありません。
中川凰蘭にリッケンバッカーを持たせたのは、
ビートルズみたいに世界を変える存在になるという伏線か!?
ついでに、ソラニンのTシャツもありました。
そういえばソラニンもムスタングでしたね。



二階堂ふみ 東京ガスCM (2012年)

2012年9月、東京ガスCM「床暖房 家族のはなし かっこわるい父親篇」から。
絵に描いたような心温まるCMなのだが、二階堂ふみの体温低めな存在感が際立つ。
近年は軽音部に入る女子が増えているらしく、CMにも日常風景として反映されている。
実際に街でもギターケースをかついだ女子学生をよく見かけるようになったと思う。
余談だが、制服姿の女子はテレキャスが似合うような気がする。
形がちょうど収まりがいいというか、テレキャスの原初的なシンプルさは
本質的に「スチューデント・モデル」的なのかもしれない。



成海璃子 ライブ (2010年)

成海璃子が選んだ「日本のロック/フォーク・アルバム・ベスト10」が渋すぎる
日本の古いロックやフォークに異様に詳しい成海璃子。
均質化したJ-POPで育った若者は、もっとガツンとくる音楽と言葉に飢えているのだと思う。
何も珍しいことじゃない。
自分の生きてる同時代には同調できない、そんな若者は古典を紐解く。
2010年には制服姿で弾き語りライブを行い、
ブルーハーツ,The ピーズ,斉藤和義,エレカシ,チャットモンチーなどを歌う。
そして大人になった成海は制服ギター女子から裸ギター女子へ。・・・ん?



Coca-Cola TVCM 「ネームボトル/バンド篇」 (2015年4月)


Gt.ほのかりん,Ba.佐生雪,Dr.広瀬咲楽
コカコーラのCMがそろそろこういうのをやるのでは、と思っていたらやってくれました。
軽音部の、男子でなく女子というのが、やはりそういう時代ということですね。
部室でのバンド練習で、これから音を出す前のピリッとした緊張感をとらえています。
演奏が始まるとゲス極の「私以外私じゃないの」が流れ、話題のヒット曲となった。
コカコーラCM特有の、自然光っぽい、さりげない雰囲気の画面作りと、
「あの子は誰?」と言いたくなるようなイイ感じの女の子が出ていますね。
落ち着いた色調の映像の中で、コカコーラのイメージカラーでもある赤いベースの色が、
差し色みたいに鮮やかなアクセントになっています。
美しい巧みなサブリミナル的映像です。その画像をよく見てみると、
左端の鏡に「X Deadline」という謎のサブリミナル・メッセージ(?)も隠されています。
これぞコカコーラ伝統のサブリミナル広告?
鮮烈な赤、不吉な言葉、という「生と死」のサブリミナル・イメージを忍ばせている?
マジでこのCMを見てから、2015年はコカコーラをよく飲んでました。
たぶんあなたも無意識にコカコーラを選ぶかもしれない。
 


ほのかりん (コムシコムサ comme ci comme ca) T165cm

画像は2013年12月15日の代々木公園ライブから。
上記のコカ・コーラCMでギターを弾いていた、ほのかりん。
ニコラなどジュニアモデルからキャリアを始め、ドラマや舞台、CM、タレント活動をしている。
2013年10月に、同じような活動をしている仲間たちとガールズバンド「コムシコムサ」を結成。
2011年からレギュラー出演しているNHK「Rの法則」では、ちょっと異彩を放っており、
歯に衣着せぬ物言いで容赦なくツッコんでくる、ロックなお姉さんなのである。
コーラCMでも弾いていた愛器は、Sadowsky Metroline R1 DCM というストラト・タイプ。
色は黒っぽく見えるがこれはDCM(ダーク・チェリー・メタリック)というカラーですね。


2016年6月にはBLUE ENCOUNT「だいじょうぶ」のMVに制服姿で出演。
不安や逆境に押しつぶされそうな若者たちの群像が描かれ、ほのかはその一人。
ラストは彼女が大胆に唇を重ねるカットで終え、MVにおけるミューズ的な役割を果たした。
他にもMVでは、忘れらんねえよ「夜間飛行」 ではキレるギター女子を演じ、
ESNO「夕暮れパラレリズム feat.DAOKO」 にも制服姿で出演している。


追記 2016/10/11
また、えげつない魔女狩りを見た。
もはや糾弾されるべきは、「ゲスの極み社会」の様相である。
自ら進んで真の下衆に成り下がるのは誰なのか。
メディアとネットがネガティブ・バイアスで結託した、新たな因習社会が到来しようとしている。
そこに加担する者は、巡り巡って自分の好きなものや人物が踏みにじられるのを見るだろう。
音楽はいつでも、そんなモラルの外にある。
ブルエンよ、今こそ中指を突き立てて「だいじょうぶ」だと歌い上げてくれ。彼女のために。



QOOLAND×田中寛崇 (2014年)

イラストレーター 田中寛崇 WORK から。
2014年4月のミニアルバム「毎日弾こうテレキャスターagain」のジャケット。
萌え系のお目々より、こういうクールな眼差しが筆者は好きですね。
ちょっと山本彩っぽいじゃありませんか。
黒いシャツはTSUTAYAの制服で、TSUTAYA限定レンタル版のジャケです。
TSUTAYAが全国津々浦々に進出した現在、ツタヤ女子店員は身近な存在ですが、
JK制服,ナース服,OLの事務服という三大フェチに、新たなフェチが誕生する予感?
ちなみにQOOLANDは、ギタボとギタリストが揃ってタッピングを多用する技巧派バンド。
ギタボは器用にテレキャスのクリーンサウンドでタッピングを繰り出しながら歌う。
※彼らはボーイズバンドです。



夜桜四重奏 〜ヨザクラカルテット〜 (2006年〜)

ヤスダスズヒト(著)の妖怪バトル漫画。
音楽漫画ではないが、単行本の表紙では登場人物からイメージする楽器を持っている。



ZONE 「大爆発 No.1」 (2001年)


青色ストラト=MIYU,茶色テレキャス=TAKAYO
ストーンズの「It's Only Rock'n' Roll」のMVをイメージしたという水兵のセーラー服。
これもいちおう制服ということで。
この時代はまだ学校制服を衣装にする発想はなかったようだ。
バンド+アイドル=「バンドル」という新たなガールズバンドの形を作り、
ZONEの成功によって、芸能事務所がガールズバンドを作るという流れができる。
テレビでローティーンの女の子が当たり前のようにエレキギターを弾く姿は、
多くの少女たちに「自分にもできるかも」と、潜在的影響を与えたに違いない。
不朽の名曲「secret base 〜君がくれたもの〜」はmiwaも弾き語りでカヴァーしていた。
そんなZONEがなぜ櫛の歯が欠けていくような終わり方をしなければならなかったのか。
彼女らに許された唯一の決定権は、物言わずバンドを去る事だけだったとしたら悲しい。
時がいつか解決してくれる日が来ることを祈る。



SCANDAL



2008年にデビューした制服ガールズバンドの覇者、SCANDAL。
上2枚はまだデビュー前の2007年10月、大阪城公園・城天ストリートでの下積み時代。
ちょっと不良っぽい制服の着こなしに、とっぽいダンス少女の名残りが漂う。
路上の撮影者にガンを飛ばすHARUNAが最高。まさに少女ドS。
制服はライブの戦闘服だと言い、アグレッシブなパフォーマンスを身上としており、
その荒削りなサウンドから、初期の頃はガーリー・ガレージ・バンドと呼ばれていた。
ZONEや中ノ森BANDと同じく、ボーカル&ダンススクールというバックボーンから誕生したが、
作られたバンド、という出自を凌駕するバンド・ケミストリーを彼女らはなぜか持っていた。
技術論ではなく、替えのきかない4ピースが一丸となった「バンド感」としか言いようのないものを。
制服姿は特に海外からの食いつきがよかったらしく、
やはり制服はクールジャパンの象徴的アイコンだということが分かる。
制服のせいでバンドとしては不本意な目で見られることもあったそうだが、成人を迎え、
制服衣装をやめる時、自分たちの特色がなくなってしまうのではないかという不安もあったという。
しかしSCANDALは着実な活動を重ねた結果、
2010年代前半におけるガールズバンドの隆盛を牽引するトップバンドになっている。



姫carat

2012年から活動開始。2013年にメジャーデビュー。
バンドとダンスをこなす「二刀流ロッキンアイドルバンド」。
1つの曲をバンドスタイルとダンススタイルの二通りでパフォーマンスできる。
近年続いているグループアイドルブーム、そして「SCANDAL以降」のシーンに
出るべくして出てきたハイブリッドなスタイルのグループである。



たんこぶちん


唐津発、同級生ガールズバンド、たんこぶちん。
小学生からのリアル同級生だけあって、いい雰囲気です。
2012年にはGoogleモバイルのCMに出演しており、佐賀県ではすでに有名人?
ボーカルの子の表情が常に笑顔なところがちょっと渡辺美優紀を彷彿とさせる。
この子は小悪魔かもしれない。
当ページのヘッダ画像はこのボーカル・MADOKAです。
これぞ正しき女子高生、という佇まいのバンドである。



がんばれ!Victory

これはたんこぶちんと同じ練習スタジオですが、土足厳禁なんですね。
がんばれ!Victoryもたんこぶちんと同じ小学校の同級生で、同時期に誕生したバンド。
よりロック色の強い音を目指しているとのこと。
「絶対生音主義」「平成オールドロック」をテーマに掲げ、
パワフルな生演奏を身上としながらも「バンドル」として、アイドル側にも寄せた活動をしている。
これも2010年代にサバイバルするガールズバンドの方法論なのかもしれない。
地方校の一学年から2つのガールズバンドがメジャーデビューしたこと自体も前代未聞だ。

ZONE以来、久々に「バンドル」と名乗るガールズバンドの登場。


WEED

姉妹のギター&ベースによるポップ・パンクな中学生3ピースバンド。
2012年にNHKのコンテスト番組「スクールライブショー」に出演し、
出場した回のチャンピオンになっている。


WISDOM

SCANDALが毎年主催している「SCANDALコピーバンドコンテスト2013」から、
中学1年生のガールズバンド、WISDOM。
SCANDALのコピバン大会だけに、制服でキメてくるバンドがけっこういる。

このたんこぶちん,Victory,WEED,WISDOMらは、
佐賀県唐津市のある一人の小学校教師の指導の元で生まれた。
きっかけは2007年、土曜の子供の居場所づくりの一環として始まった放課後子ども教室。
スポーツでの青少年育成のように、音楽を通じて青少年育成をしているという。
ガールズバンドばかりなのは、今の時代、女の子のほうが活動的なのだろうか。
唐津が「ガールズバンドの聖地」と呼ばれる日はやってくるか?
県民だより 活躍の場を広げる唐津発ガールズバンド



KANIKAPILA

SCANDALコピーバンドコンテスト2013から、
福岡の中学2年〜3年生からなるガールズバンド、カニカピラ。
このコンテストで優勝したことで、SCANDALの事務所からデビューする。
同郷の久留米市出身の藤井フミヤ兄弟から楽曲提供も受けた。
しかもチェッカーズと同じ7人編成ということで、少女版チェッカーズとも目される。




Cookie Monsters
 
閃光ライオット2014から、東京都のガールズバンド、Cookie Monsters。
今やバンド・コンテストに制服バンドが出てくるのは定番になっているらしい。
彼女らは審査員特別賞を受賞。女子高生の制服パワー恐るべし。



ハレルヤオーバードライブ! (2009年〜)

ラブコメ系バンド漫画。
軽音楽部が禁止された高校で、「金属理化学研究部」という名目で、
学校に隠れてバンド活動に勤しむ生徒たちを描く。



SHISHAMO (2012年)


神奈川県川崎市の女子高生3ピースロックバンド、SHISHAMO。
インディーズ時代の軽音楽部ライブ。
女の子がメチャ楽しそうに盛り上がっています。
このシシャモというバンド、aiko+ギターバンド的な作風を持っており、
同性受けするタイプのバンドかもしれない。
GO!GO!7188をコピーしていただけあって、ギター主体のサウンドを堅持している。



井上苑子 (2014年)



2014年5月、神戸新開地音楽祭から
アイドルでもなく、ガールズバンドでもなく、
ソロのシンガーソングライターなのになぜか制服なのである。
小学生時代から曲作りやライブ活動をしており、
16才にしてすでにドラマ,映画,舞台などにも出演している。
そんな早熟な才女がミニスカの制服姿でギターをかき鳴らし歌うという、
蒼いエロスと困惑を突き付けてくる。
現在の音楽シーンのカオスを感じさせるシンガーである。
だがこの全身からみなぎる「正しき女子高生」感を前にして些末なことは愚問か。
YUIの主演映画「タイヨウのうた」(2006年)を観て音楽を始めたという世代で、
歌声もYUI直系の柔らかで瑞々しい声質を持っている。
そんな敬愛するYUIやアヴリル・ラヴィーンのDNAを制服の中で融合させる16才。
ちなみに空手有段者。蹴りがよく効きそうな脚が好きです。



映画「天国からのエール」 (2011年)


ステレオポニーなどを輩出した沖縄の有名な音楽スタジオ「あじさい音楽村」を
設立した故・仲宗根陽の実話を元にした映画『天国からのエール』から。
練習スタジオもない田舎町で、高校前で弁当屋を営む仲宗根(阿部寛)は手造りでスタジオを建て、
学生達に無料開放する。彼がそこまでする心の内には、夢半ばで早逝した親友の存在があった。
その仲宗根も癌に冒され、地域の若者の音楽活動を支え続けながらも、42才で逝く。
まるで黒澤映画「生きる」の主人公さながらに人生を全うした男がいた事に、脱帽する他ありません。
劇中バンド「Hi-DRANGEA(あじさいの意)」は、あじさい音楽村のエピソードを集約した架空の存在。
赤いテレキャスの女の子はステポのAIMIをどこかイメージさせる。主題歌もステポが提供した。
桜庭ななみは役のためにギターをマスターし、練習シーンでは生演奏しているのが分かる。
この映画には島村楽器が協力しており、
桜庭が劇中で使用しているのは島村楽器オリジナルブランド CoolZのテレキャス・タイプ。
使用したギターは東日本大震災のチャリティオークションに出品され、落札額は110万円に達した。
のちにベース役の野村周平は、ロック映画「日々ロック」(2014年)で主演を務める。



SORAMIMI

2013年結成、実力派のプレイヤーで固めた神奈川発のガールズバンド。
60〜90年代のアニソンカヴァーを中心に活動している。



アニソンの神様 (2012年)
 
大泉貴(著),のん(イラスト)によるライトノベル。
日本でアニソンバンドを組むためにドイツから来た少女の青春バンドストーリー。



川上ジュリア (JURIAN BEAT CRISIS)


2009年デビューの女子高生シンガー、川上ジュリアのソロユニット、JURI☆BE
「スクールライフを歌う」というコンセプトで活動したスクールガールズロッカー。
リンドバーグ,レベッカ,ジュンスカのメンバーらが楽曲を提供していた。
2011年には朝日放送の高校野球応援ソングに「ずっとここから」が起用された。
2012年のアルバム「卒業 -Glorious day-」をもって歌手活動も卒業?



カノジョは嘘を愛しすぎてる (2009年〜)


2013年に映画化された少女漫画。
ヒロイン小枝理子役のオーディションで、17才の大原櫻子が5000人の中から抜擢。
ちなみにmiwaもこの映画のオーディションを受けようとしたが止められたとのこと。
大原は役のためにアコギをマスターし、劇中曲でCDデビューも果たした。
作者が作画の参考のために購入したTakamine DMP551C WRがそのまま描かれ、
映画でも同モデルを使用、 「カノ嘘モデル」と呼ばれ注目を浴びる。
大原櫻子はこの後、歌手活動にも軸足を置き、ギタ女ブームのホープとなる。
アイドル系とは一線を画す、求心力のある歌声を持つシンガーが映画から生まれた。



Juice=Juice (2013年)
 
グラビアから
アイドルのグラビアでのバンド・コスプレはもはや定番。
ガールズバンドは女の子にとって憧れの職業(?)なのだ。
植村って子、なんかカッコイイですね。



ももいろクローバーZ (2015年)


2015/04/14、フジテレビNEXT「坂崎幸之助のももいろフォーク村NEXT」実況まとめから。
公開中の主演映画「幕が上がる」の制服衣装を着ています。
前年からこの番組でアコギに挑戦している。ももクロのギタ女化計画?
使用しているギターは、VG EAR-01
エレキ弦を張ったアコギで、初心者にも弾きやすいモデルだ。
メンバーカラーの5色を揃えた「VG EAR-01 Custom Z」として販売された。
定価193,320円。アイドルグッズとしてはちょっと高い買い物ですが、
握手券や投票券と違って、楽器は残りますからね。
くれぐれもファンをやめる時に、燃やしてツイッターにアップしないでほしいですね。



ガールフレンド(仮) (2012年)

Amebaが運営しているスマホ向けソーシャルゲーム。
キャッチコピーは「耳で萌える学園恋愛ゲーム」とのこと。
その中に登場する軽音部バンド「にゅーろん★くりぃむそふと」のメンバー。
他にも ドラマーキーボーディストがいる5人組ガールズバンド。
スマホを持ってない筆者には何をどうやって遊ぶのか分からない世界なんですが、
画像を検索していると、この作品世界ではいまだに体操服はブルマのようで、
対象年齢はけっこうオジサン世代なのかもしれない。
2014年にはアニメ化され、主題歌はこのバンド名義になっている。



剛力彩芽 リプトンティーCM (2009年)

ロングヘアが超絶かわいい17才の剛力彩芽。
このCMと連動したケータイムービーも作られ、
女子高生4人組が、恋、バンド、ダンスに青春をかけるドラマが配信されていた。
「MTV presents LIPFES'09」というイベントも行なわれ、LIPFESガールズバンドとして、
CMソングの「青春にその涙が必要だ!」(ステレオポニー)のカヴァーを演奏した。
剛力彩芽がレスポールを弾く姿を探したのだが、動画や画像が見つからない。
歌って踊るダンスシンガーの剛力はとても魅力的なので、ギターもやってほしいところです。
ラケット・ダンスの次はギター・ダンスとか・・・ダメですかね?



橋本愛 アキュビューCM (2013年)

話題になった目の中に入れるゴミ・・・もといコンタクトレンズのCM。
思春期の気だるさを濃厚に漂わせる橋本愛が元気に振る舞っております。
気だるい十代にとっては目に入るもの全てがゴミに見えるものである。
音楽が好きで、プライベートでもギターを弾いているという。
今時の音楽好きな女子はギターくらい普通にたしなむものなのだ。
笑顔の奥にどこか破滅型ロッカーの匂いがするのは気のせいだろうか。
2010年代の「リンダリンダリンダ」的な映画が作られるとしたら、この子しかいないと思うのだが。
これを書いている現在、橋本愛は18才。



能年玲奈

2007年、能年玲奈が中学の同級生と組んでいたバンド、natural。
制服をアレンジした衣装でキメているが、時はまだSCANDALのデビュー前。
真ん中の写真は見出しが笑ってしまうが、当時流行ったミニ浴衣です。
地元の公民館の音楽サークルに入り、オヤジバンドのオジサンからギターを教わり、
ライブは公民館の会場や村祭りなどで行っていたという。
あまちゃんさながらに地域のコミュニティで活動的に過ごしていた様子がうかがわれる。
レパートリーは、ホワイトベリーやGO!GO!7188、小泉今日子の「学園天国」など。
今までの人生の中でバンドは一番の青春だったと本人は振り返っている。
高校進学を機に女優を目指して上京するも、暗黒(?)の高校時代を過ごした能年にとって、
兵庫の田舎で友達とバンドに打ち込んでいた中学時代が青春だったのかもしれない。
制服が好きだったそうだが、中学の制服は地味で、進学した高校には制服がなく、
仕事で可愛い制服を着る機会を楽しんでいたという。
2012年には閃光ライオットの応援ガールに抜擢、開会宣言と共にギターを弾いている。
近年ここまで掛け値なしに自らの輝きで一大旋風を巻き起こした女の子がいただろうか。
「暴力的なまでの女の子パワー」をずっと持っていたい、というモットーを掲げる能年。
大人になった彼女の中には今もパンキッシュなロック少女が息づいている。



閃光ライオット 応援ガール まとめ より

左から、夏未エレナ,川口春奈,能年玲奈。

制服ギター女子といえば、十代限定ロックフェス「閃光ライオット」のキャンペーンガール。
「音楽の甲子園」と謳うフェスだけに、制服姿は女子マネージャーをイメージしているとのこと。
ポスターへの起用、そして開会式でギターをかき鳴らして開会宣言を叫ぶのが恒例。
毎年、フォトジェニックな美少女タレントが選ばれ、
かつてのビクター甲子園ポスターみたいに夏の風物詩になりつつある?
ちなみに北乃きい(3代目)と剛力彩芽(5代目)は成人していたので制服は着ていない。


Page1  Page2

制服ギター女子 まとめ
http://guitargirl.web.fc2.com/schoolgirl/

作成 2014/09/11
更新 2017/--/-- (工事中)

このサイトは、一般個人が趣味で作っているギターサイトです。
アーティストや楽器メーカーなどとの関わりはありません。

inserted by FC2 system